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IPOしない方が良い会社、意外としていなかった企業

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IPO
(写真=PIXTA)

 新規上場(IPO)企業数はリーマンショック以降、低迷が続いていた。しかし2015年は日本郵政 <6178> ゆうちょ銀行 <7182> かんぽ生命 <7181> の大型上場が相次ぐなど株式市場が活性化している。

 一方で郵政3社などの大手企業がまだ上場していなかったことに驚いている方もいるのではないだろうか。今回は、大手や有名企業であるにもかかわらず未上場の企業を例に、株式公開のメリット、デメリットを考え、IPOをしないほうが良い会社の特徴などを考えていきたい。

大手生命保険はほとんどが未上場

 日本生命保険を筆頭に住友生命や明治安田生命など多くの生命保険会社は未上場である。理由はとても明瞭で、株式会社ではないことから株式公開ができないのである。

 生命保険会社は基本的に相互会社という形態をとっている。「相互扶助」の精神に基づくものである、という考えのもと、法律で「保険会社」のみに認められた会社形態となっている。株主が「会社の持ち主」である株式会社とは異なり、保険に加入している契約者ひとりひとりが「会社の持ち主」であることが特徴で、契約者の利益を考え、会社の営利を目的とせず、中長期的視点で安定的な経営を目指す保険会社に適した形態となっている。

 ただ第一生命保険 <8750> など一部の生命保険会社は、株式会社化に踏み切っている。その理由とひとつと考えられるのは、資金調達が容易となることだろう。株式市場で資金調達が可能となるだけでなく、M&Aなどを行った際に株式交換の手法をとることも可能となるのだ。実際、第一生命では、M&Aに強みを持つ米プロテクティブ生命を子会社化し、北米を中心に企業買収による収益基盤の拡大を図っている。

 株式会社化(上場)のメリットデメリットを考えてみると、デメリットは有価証券報告書などの報告が求められるため事務手続きが煩雑になることぐらいであろう。それより、会社の透明性が高まることや、株式会社の方が事業の自由度が高くなるなどメリットの方が多い。今後も生命保険会社の株式会社化は進むのではないだろうか。

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