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【特集2】IPO:なぜ12月に新規上場が多いのか?

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東証
(写真=PIXTA)

 2000年に200社超えた株式新規公開(IPO)も、一度は下がり続け、2009年の19社を底に打った後、ここ数年増加傾向にある。13年が54社、14年が77社、15年は93件と6年連続で増加している。2015年は日本郵政株式会社が傘下のゆうちょ銀行、かんぽ生命保険との同時上場を果たしたことや、グノシー、ベルシステム24などの大型案件のIPOが続いたことで話題を集めた。

そもそも上場が増えている理由

 IPOが増えている背景には、主要国の金融緩和を背景に潤沢な資金が日本の株式市場に流入したことと、ドル高円安を受けて、日本企業の業績回復への期待が高まったことがある。景気回復による業績拡大とともに、市場活性化に向けた制度面での改正も新規上場を後押ししているものと見られる。2014年には新規上場企業に対する内部統制監査の免除や株式上場時に提出する有価証券届出書に記載する財務諸表の年限の短縮などが実施された。

 IPOは下半期、特に12月に集中する傾向がある。なぜ12月に新規上場が多いのだろうか。

12月の上場が多いのは決算期が理由?

 12月上場件数の動向を見てみると、2013年は17件(年間54件)、2014年は28件(同77件)、2015年の19件(同93件中)と、12月上場件数は年間の2割から4割弱を占めている。

 株式公開が下半期に多い理由は決算期にあると考えられる。日本企業の決算期は12月と3月に集中する。決算発表後、株主総会、上場申請、証券取引所審査、上場申請承認を経てIPOというプロセスを踏むわけだが、このプロセスに要する期間を考慮するとどうしても新規株式公開は9月~12月に集中してしまう。IPO企業は申請して実際に上場するまで同じ事業年度内とし、期を超えない上場を目指す。したがって、12月にIPOが集中する理由はスケジュールの都合によるものと考えられる。

 新規公開株を手にいれるためにブックビルディングに参加するのが一般的であるが、12月に新規公開銘柄が多いことが分かっていれば、スケジュールをチェックし、限られた資金を効率良く、どの銘柄のブックビルディングに参加するかを決めることができる。以前に比べ、特に人気銘柄になるとIPOの公募当選が厳しくなっているが、それでも12月は1日に数社が新規公開となる場合もあるため当選確率も高まりチャンスも広がる。

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